今やインターネットの成長は凄まじく、近年では音楽をダウンロード購入できるまでになりました。これまでカセットテープやMD、CDという媒体を必要としていた音楽も、遂にそのような媒体を必要としない『通信販売』へと変わりつつあります。

こうした背景もあり、やはりダウンロードサイトでは、その曲について言及しているところが多かったり、レビューが掲載されていたりと、曲がりなりにもインターネット上でショッピングをするわけですから、それなりの工夫は見て取れます。

しかし、そのような変遷を経てなお聞かれる声の一つが、『買って損だった』、『○○という曲をダウンロード購入したが、失敗だった』というもの。音楽のジャンルを問わず、こういった声は一定の量を保ち、カセットテープの時代から常に耳に入ってきています。なぜこのようなことが起きてしまうのでしょう。

私はこの原因について、『試聴の可否』が大きく関わっているのではないかと思います。試聴、つまり試し聴きのことですが、これをしているのとしていないのとでは、音楽の購入についてかなり大きな影響が出てくることをとても実感しています。

というのも、レビューというのはそもそも、製品を実際に使用したことのある人が記す『感想』のようなものであり、口コミであっても実際の使用感を身近に感じられる材料としてはかなり秀逸なものです。しかしそれは、『日用品』および『実用品』という実際に手の触れられるものに限っての話であり、音楽という日常的な娯楽となると、話は変わってきます。

常に手を触れることのできる『品』とは違って、音楽やゲームなどの『娯楽』というものは、そのほとんどが趣味から派生しています。つまり、『邦楽は好きだけど洋楽は好まない』とか『将棋は好きだけど囲碁はよくわからない』といった、個人の好みが大きくモノを言うわけです。とりわけ音楽ではその『好み』の部分が強く影響される場合も多く、同じ歌手でも『この歌手の○○という曲は好きだが、□□という曲は好きでない』と1曲単位で好みが分かれるくらいに、その影響は大きいのです。そのような音楽がダウンロード、クリック1つで購入できるようになった昨今では、やはり試聴というのは欠かせないでしょう。

カセットテープなどの媒体に音楽を録音していた時代は、商業音楽(専門店で販売されている音楽)であれば中古として転売が可能であり、それを求めている消費者にも転売者にも得がありました。比べて、ダウンロードはバックアップが取れるので、データが消えてしまっても復元に手間がかからない反面、『失敗』したときに転売できないため、消去は簡単でも損しか感じないというデメリットがあります。

そこで、ダウンロード購入で失敗しないためにも、事前に音源を聞いてみるということは必要です。サンプル音源を試聴し、自分が気に入れば購入する、という流れをクセづけておけば、失敗することはまずありません。サンプル音源は長くて40秒ほどですから、商品としての音楽のイメージを損なうことなく、クオリティーを確かめることが出来るのです。これらのことから、試聴のできないダウンロードサイトもしくは音楽は、『ハズレ』として対処してもあまり支障はありません。

便利になるからこその一手間は、やはりどの時代にも必要なのです。